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2011/04/20
平成23年度科学技術分野の文部科学大臣表彰を受賞
文部科学省より平成23年度科学技術分野の文部科学大臣表彰(科学技術賞・若手科学者賞、創意工夫功労者賞)の発表が行われ、当所より下記の者が受賞しました。 この表彰は、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、もって我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的とすることを趣旨として、文部科学省が主催しているものです。 なお、表彰式については、東北地方太平洋沖地震による被害の状況等を踏まえ中止されました。
コンパクト化学システム研究センター 蛯名武雄研究チーム長、水上富士夫招聘研究員(ナノシステム研究部門)、他 企業の方3名
「耐熱ガスバリア粘土膜の開発」
従来ナノコンポジット複合材に添加物として用いられてきた粘土を、逆に主成分とするガスバリア膜を創生したものであり、厚さ約1 nmの粘土結晶が緻密に積層した膜構造を持ち、柔軟で耐熱性・ガスバリア性に極めて優れている。さらに受賞者らは、膜の特性を向上させるとともに、大量生産の方法も確立した。
計測標準研究部門 権太聡研究室長、三隅伊知子主任研究員、菅原健太郎研究員
「標準ナノスケールと校正技術の開発」
ナノスケールの寸法を校正できる、超高分解能レーザ測長計を搭載した測長型原子間力顕微鏡を開発した。また100 nmのスケールの高スループットの校正が可能な深紫外レーザ回折装置を開発した。さらに超格子技術を応用した次世代の25 nmナノスケールを開発し、国際比較等で品質を確認した。
ナノシステム研究部門 片浦弘道研究グループ長、田中丈士主任研究員
「カーボンナノチューブの高効率金属・半導体分離と応用の研究」
カーボンナノチューブの金属・半導体分離の問題を解決するために、寒天から精製した「アガロース」を用いた画期的な分離法を考案した。界面活性剤で水中に分散したナノチューブを、アガロースのゲルの粒を詰めたカラムに注入すると、半導体型はゲルに吸着して固定され、金属型のみが流れ出す。その後別の界面活性剤で半導体型を溶かし出す。
地質情報研究部門 渡辺真人主任研究員、吉川敏之主任研究員、濱崎聡志主任研究員
「ジオパーク事業の推進による市民の地球科学の理解増進」
2006年より関連学会等と共にジオパークの理念の普及を図り、2008年に関連省庁・学会の協力を得て、ジオパークの評価機関である日本ジオパーク委員会を立ち上げて事務局を務め、国内のジオパークとジオパーク立ち上げを目指す地域が作る日本ジオパークネットワークへの助言を行っている。
ナノチューブ応用研究センター 越野雅至研究員
「有機分子1個の動きおよび化学反応の研究」
有機分子を新規ナノカーボン材料に固定し、電子顕微鏡を用いてその動的観察に成功するとともに、さまざまな有機分子にも本測定手法が適用可能であることを示した。近年、化学者の夢であった分子の化学反応を原子レベルで見ることを実現した。
情報技術研究部門 佐藤雄隆主任研究員
「全方向ステレオカメラを用いた安全安心な車いすの研究」
従来のカメラシステムにおける「視野の制限」が、ロボットの視覚能力を大きく低下させる要因となっている点に着目し、36個ものカメラを集合させることで、視野の制限が全く存在しない全方向のカラー画像と3D情報を同時に取得する世界初の斬新なカメラシステムを開発した。更に同カメラシステムを活用したインテリジェント電動車いすを開発し、高度な生活支援ロボット実現への道筋を示した。
計測標準研究部門 佐藤公一研究員
「温度計校正装置の過冷却復帰手法の改善」
冷却装置を考案し、これを用いる際の最適条件も見出して、過冷却復帰手法を大きく改善させた。これにより、安全に、かつ効率的に操作を行うことが出来るようになった。また、温度計校正装置の精度も向上し、国際的にもトップクラスの精度であることが確認できた。
地質調査情報センター 渡邊頼子主幹
「地質情報出版媒体の多様化による成果普及の改良」
地球科学図や研究報告の出版媒体を多様化する取り組みの中で、地質情報をより広く、早く、正確に、かつ利便性を高めた形態で伝えるための改良を中心になって推進してきた。
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