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左:計測標準研究部門
阿子島めぐみ 主任研究員 |
平成23年6月29日に計測標準研究部門材料物性科熱物性標準研究室の阿子島めぐみ主任研究員は、カナダのサグネで開催された「第31回国際熱伝導率会議/第19回国際熱膨張シンポジウム・合同会議」よりフェローの称号を授与されました。
「国際熱伝導率会議/国際熱膨張シンポジウム」は、1961年から開催されている熱物性分野で最も歴史の古い国際会議です。フェローは、熱物性の研究に大きな功績のあった個人に対して授与される称号で、世界の熱物性分野において名誉なものの一つです。
テーマ:レーザーフラッシュ法による熱拡散率計測技術と熱物性標準
業績の概要:
省エネルギーや熱対策の観点から、固体材料の熱物性値には高い信頼性が要求されており、室温~1000 ℃を超える高温での固体材料の熱伝導率の多くは、レーザーフラッシュ法で測定した熱拡散率を用いて算出される。阿子島主任研究員は、レーザーフラッシュ法を発展させ精密化して材料固有の値を求める手法と不確かさ評価を確立し、熱拡散率の国家標準としてのSIトレーサブルな熱拡散率測定および認証標準物質の供給を実現した。測温諮問委員会熱物性作業部会(CCT WG9)において各国標準機関による国際比較の実施を先導し、この分野の国際的な標準整備に貢献した。この他、独自の創意により遮熱コーティングなどの実用材料やカーボンナノチューブ、ナノダイヤなどの先端材料の信頼性の高い熱拡散率測定を行うなどの成果を挙げてきた。