先進製造プロセス研究部門
秋本 順二 研究グループ長(左)
木嶋 倫人 主任研究員(右)
先進製造プロセス研究部門
秋本 順二 研究グループ長、木嶋 倫人 主任研究員
受賞テーマ:ソフト化学合成法によるリチウム二次電池用高容量電極材料の開発
研究業績の概要:
大型用途の次世代リチウムイオン二次電池では、電池の入出力特性、エネルギー密度の向上ばかりでなく安全性確保と長寿命化、低コスト化が求められており、更なる高容量化が可能となる正極材料、負極材料の開発が必要不可欠であった。
秋本研究グループ長らは、高容量電極材料の開発に無機材料の低温合成プロセスのひとつであるソフト化学合成法を適用し、いずれも現行材料よりも高容量な新規マンガン酸化物系正極材料、および新規チタン酸化物系負極材料を開発した。本研究成果は、リチウムイオン二次電池の主要な構成材料である電極材料の高容量化・低コスト化を可能とするものであり、大型蓄電池の本格的な普及促進が加速されることが期待される。
計測標準研究部門
洪 鋒雷 研究科長(左)
稲場 肇 主任研究員(右)
計測標準研究部門
稲場 肇 主任研究員、洪 鋒雷 研究科長
受賞テーマ:光周波数コムによる長さの国家標準
研究業績の概要:
レーザー周波数の精密計測は、光通信などの分野において不可欠な技術になりつつある。本研究ではモード同期ファイバーレーザーによる光周波数コムに着目し、オフセットビート信号の検出や1週間に及ぶ長期連続測定など、一連の学術的成果を上げた。
一方で計量法に基づく校正事業者登録制度等に係る技術委員会に諮り、2009年7月「光周波数コム装置」が長さの国家標準として指定された。その結果、レーザー波長の校正能力が300倍高精度化されたばかりでなく、標準供給可能な波長が633 nmのみから500 - 1684 nmに拡大された。本研究成果は波長基準光源の校正を通じ、光通信の大容量化、および長さ計測を必要とする多くの製造業の競争力向上に寄与するものである。