【受賞事例名】
産学垂直連携・共同研究体「TPEC」の創成
【概要】
産総研は、奥村 元 先進パワーエレクトロニクス研究センター長を中心に、これまで経済産業省等の国家プロジェクトや産総研独自予算による大型プロジェクトに取組み、また技術研究組合への参加を通して日本のシリコンカーバイド(SiC)半導体の研究開発をリードしてきた。
それらの中で、平成20年度には企業との大型共同研究を立ち上げ、つくばイノベーションアリーナ(TIA)事業の一つとしてSiCパワー半導体試作ラインを構築し、平成23年度にはオン抵抗が世界一低いSiCパワー半導体の量産技術を確立した。この技術は、メガソーラー向け省エネ型SiCパワーコンディショナーの世界に先駆けた製品化につながった。
平成24年度にはさらに、SiC半導体製品の開発を総合的に加速する新しい民活型共同研究体組織「つくばパワーエレクトロニクスコンステレーション(TPEC)」を産総研内に創設した。TPECには産総研のほか、産業構造の川上から川下にいたるビジネスレイヤーの異なる30社とSiC半導体研究に高い研究ポテンシャルを有するアカデミア9機関が参画しており、現在、SiC半導体を量産試作する機能や産業人材を育成する機能を併せ持つオープンイノベーション型の組織として運営されている。
このようないわゆる垂直連携の共同研究体TPECの創設と運営が高く評価され、今回の産学官連携功労者表彰の「日本経済団体連合会会長賞」受賞にいたった。
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