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お知らせ記事2021/03/31

先端半導体製造技術コンソーシアムを設立
- NEDO事業により整備するパイロットラインをオープンイノベーションの場へ -

2021年3月31日
国立研究開発法人 産業技術総合研究所

概要

国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 石村 和彦】(以下「産総研」という)エレクトロニクス・製造領域【領域長 安田 哲二】は、「先端半導体製造技術コンソーシアム」を設立しました。国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」という)「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業 研究開発項目②先端半導体製造技術の開発」において採択された事業の中で、産総研は先端半導体製造のためのパイロットラインの整備を行います。本コンソーシアムでは、パイロットラインの円滑な運営と開発された技術の普及を目的として活動を行います。この活動を通じて、NEDO事業により整備するパイロットラインを、幅広く企業・大学などによる先端半導体の開発に資するものとしていきます。

背景

ポスト5G世代においては、超低消費電力で信号の処理を行う先端ロジック半導体の性能向上が必須です。半導体素子の微細化が物理的限界に近付く中、2nm以細の技術ノードは3次元構造ナノシートトランジスタが最も有望視されています。このような新構造デバイスの試作、評価を効率的に進めるために、さまざまな企業・大学などが研究開発に参加するオープンイノベーションの場が求められています。

産総研は、NEDO事業「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業 研究開発項目②先端半導体製造技術の開発」に採択された東京エレクトロン(株)、(株)SCREENセミコンダクターソリューションズ、キヤノン(株)の3社との共同研究により、産総研スーパークリーンルーム内に3次元構造ロジック半導体デバイスを試作できる共用のパイロットラインを整備します。

コンソーシアムの目的

産総研は、上記NEDO事業において整備するパイロットラインの円滑な運営と開発された技術の普及を目的として、「先端半導体製造技術コンソーシアム」をこの度設立しました。本コンソーシアムにおいては、先端半導体の研究開発を行う国内外の企業・大学などが協議や情報交換、情報発信を行うことにより、パイロットラインを利用した先端半導体製造技術の研究開発および技術の普及を促進し、半導体製造技術の発展に貢献することを目指しています。また、現在までにNEDO事業に採択された上記3社に加えて、賛助会員としてインテル(株)、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング、 タワーパートナーズセミコンダクター(株)、ユナイテッド・セミコンダクター・ジャパン(株)も参加しています。

今後の予定

今後は、国内外の先端半導体に関する研究開発を行う企業・大学などからの会員を広く募ってオープンイノベーションを推進しつつ、シンポジウムの開催などにより情報発信を進めていきます。

 

本件問い合わせ先

国立研究開発法人 産業技術総合研究所
エレクトロニクス・製造領域研究戦略部 連携推進室
先端半導体製造技術コンソーシアム事務局
E-mail:M-asma-secretariat-ml*aist.go.jp(*を@に変更して使用してください。)

用語の説明

◆2nm以細の技術ノード
半導体製造プロセスの技術世代の呼び名。IEEEのIRDSTM(International Roadmap for Devices and Systems)2020中の「Logic industry “Node Range” labeling(nm)」における「2.1」以降を意味する。微細化が進むにつれて技術世代の呼び名と実際の半導体微細加工寸法の乖離が始まっており、ここで言う2nmは、配線幅や最小加工寸法などの実際のサイズを指すものではない。現在最先端の半導体は5nm世代のプロセス技術で量産化されており、今後は3nm、2nm、1.5nm世代と続く。2nm世代以降で、3次元構造をもつナノシートトランジスタと呼ばれる、新構造が導入されると予測されている。[参照元へ戻る]
◆産総研スーパークリーンルーム
産総研TIA推進センターの運用する共用施設の一つ。3,000m2のクラス3クリーンルームに、300mmウエハー用半導体プロセス装置をそろえている。既存のプロセスメニューを活用した半導体の試作や個々のプロセス処理により広く研究開発に活用されている。[参照元へ戻る]