政府系の9機関(協力機関)は、スタートアップ支援を目的として、本日、「スタートアップ・エコシステムの形成に向けた支援に関する協定書」を締結し、スタートアップ支援機関連携協定(通称「Plus “Platform for unified support for startups”」)を創設しました。
協力機関は、技術シーズを生かして事業化などに取り組むスタートアップや、創業を目指す研究者・アントレプレナーなどの人材を継続的に連携して支援し、新産業の創出を促進することにより、日本のスタートアップ・エコシステム形成や、海外を含む経済・社会課題の解決に寄与することを目指します。
図 協力機関の代表者(新型コロナウイルス感染症対策として、持ち回りで協定を締結)
多様で挑戦的な発想を持つスタートアップは、新たな産業の担い手として期待されているため、政府が、スタートアップに対し、自律的・連続的に成長するための支援や環境整備を行うことが重要となっています。特に、新型コロナウイルス感染症による経済の低迷に伴い、市場ではスタートアップへの新規のリスクマネーの供給が大きく落ち込み、日本でもようやく立ち上がってきたスタートアップ・エコシステム※1が機能不全に陥ることが懸念されています。活性化しつつあったスタートアップ創出の動きや、事業化に向けたスタートアップの活動を維持・促進するため、政府関係機関によるスタートアップ支援策を切れ目なく実施する必要があります。
このような背景の下、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)、独立行政法人国際協力機構(JICA)、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(NARO)、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)及び独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)の9機関(以下、「協力機関」という。)は、技術シーズ※2を生かして事業化などに取り組むスタートアップおよび創業を目指す研究者・アントレプレナーなどの人材を継続的に連携して支援し、新産業の創出を促進することなどにより、日本のスタートアップ・エコシステム形成および海外を含む経済・社会課題の解決に寄与することを目的として、連携協定を締結し、スタートアップ支援機関連携協定(通称「Plus “Platform for unified support for startups”」)を創設しました。
【1】協力機関のスタートアップ支援情報の共有・整理・発信
協力機関の担当者による定例会を実施し、協力機関同士の事業の相互理解を深めます(数か月に1回程度開催。当面の間、定例会の事務局はNEDO)。
また、協力機関が実施しているスタートアップ支援事業の情報をまとめて公表し、対象分野や時期が近似の公募については協力機関による合同説明会を実施します。加えて、協力機関の支援事業に関するワンストップ窓口の設置などの実現を目指します。
これらの取り組みを通じ、さらなる事業の深化を促進します。
【2】協力機関における個別事業の相互連携の促進
これまでは独自に実施していた各協力機関の既存の取り組みを、他機関の支援メニューと連携することで、支援の幅を広げていきます。例えば、協定の秘密保持条項に基づき、支援先の同意が得られることを条件に、協力機関間でそれぞれの支援先に関する情報を共有することを検討し、優れたスタートアップを協力して支援します。
まずは、JSTのSTART事業※3で支援した事業者が、NEDOのSTS事業※4に応募する際に、当該事業者が希望する場合にJSTからNEDOに対して紹介状を発出し、NEDOが審査において一定の優遇措置を講じ、切れ目ない支援を実施します。今後、本協定に基づき、同様の取り組みを他機関の他の事業に拡大する予定です。