国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 石村 和彦】福島再生可能エネルギー研究所(以下、「FREA」という)では、産業集積と復興への貢献を目的に、平成25年度から被災地(福島県、宮城県、岩手県の三県)に所在する企業(以下、「被災地企業」という)に対し、FREAのノウハウや研究設備などを活用した再生可能エネルギー関連技術シーズに対する技術支援を行ってきました。平成30年度からは「被災地企業等再生可能エネルギー技術シーズ開発・事業化支援事業」として、被災地企業等を核としたコンソーシアムに対し、これまでの技術支援の成果を活用して行う「被災地発の再生可能エネルギー関連製品事業化に向けた技術開発」を重点的に支援します。
従来の事業開始から8年目となる令和2年度の公募は、令和元年12月26日(木)~令和2年1月23日(木)までの期間、応募申請を受け付けました。審査委員会にて厳正に審査を行った結果、以下の通り、コンソーシアム型9件、個別企業型8件を採択しました。
コンソーシアム型 採択課題一覧(分野順)
〈太陽光発電分野〉
課題名 |
企業名 |
地域(代表) |
福島モデル太陽電池モジュールの開発 |
アンフィニ(株)(代表)、(株)アサカ理研、(株)カナメ、クニミネ工業(株)、(株)山王、(株)さんのう |
福島県
楢葉町 |
廃棄太陽光発電パネルガラスの有効資源としての利用促進に関わる研究開発 |
廃ガラスリサイクル事業協同組合 |
岩手県
奥州市 |
融雪型太陽電池モジュールの事業化支援 |
アンフィニ(株)(代表)、大日本印刷(株) |
福島県
楢葉町 |
〈風力発電分野〉
課題名 |
企業名 |
地域(代表) |
大規模風力開発に資する複雑地形風況アセスメント技術開発 |
福島発電(株)(代表)、JR東日本エネルギー開発(株) |
福島県
福島市 |
風力大量導入を支える被災地発ウィンドファーム安定運用支援技術の開発 |
(株)北拓(代表)、(株)朝日ラバー、アルプスアルパイン(株)、シンクランド(株) |
福島県
いわき市 |
〈地熱・地中熱分野〉
課題名 |
企業名 |
地域(代表) |
耐熱型ボアホールスキャナーによる地熱井・温泉井の健全利用技術の実用化 |
(株)ボア(代表)、地熱エンジニアリング(株)、三井金属資源開発(株) |
宮城県
栗原市 |
地質調査孔を用いた熱応答試験の標準化と福島県・見かけ熱伝導率分布図の作成 |
福島県地中熱利用技術開発有限責任事業組合(略称;ふくしま地中熱LLP) |
福島県
郡山市 |
〈蓄エネルギー分野(水素・熱)〉
課題名 |
企業名 |
地域(代表) |
再生可能エネルギー利用拡大に向けた水素・熱利用関連技術開発 |
北芝電機(株)(代表)、(株)IHI、アネスト岩田(株)、(株)アポロガス、(株)クレハ、(株)山王、(株)ジュークス、日本化学工業(株) |
福島県
福島市 |
〈再生可能エネルギー管理分野〉
課題名 |
企業名 |
地域(代表) |
分散電源制御技術と統合エネルギーマネージメントシステムの適合性評価 |
(株)会津ラボ(代表)、(株)FEP、日本工営(株) |
福島県
会津若松市 |
個別企業型 採択課題一覧(分野順)
〈太陽光発電分野〉
課題名 |
企業名 |
地域 |
高性能・高接着強度実現に向けた結晶シリコン型太陽電池電極ペースト用ガラスフリットの開発 |
AGCエレクトロニクス(株) |
福島県
郡山市 |
車載用PV計測システムの開発と評価 |
日本カーネルシステム(株) |
福島県
郡山市 |
〈風力発電分野〉
課題名 |
企業名 |
地域 |
風力発電機用ブレード保護シートの改良 |
藤倉コンポジット(株) |
福島県
南相馬市 |
小型液滴エロージョン試験装置の開発 |
(株)トミー精工 |
福島県
浅川町 |
〈地熱・地中熱分野〉
課題名 |
企業名 |
地域 |
岩手県の温泉地における小型温泉発電装置の長期実証試験支援 |
(株)リナジス |
宮城県
仙台市 |
地熱発電所操業データを用いた異常検出システムの開発 |
奥会津地熱(株) |
福島県
柳津町 |
〈蓄エネルギー分野(水素・熱)〉
課題名 |
企業名 |
地域 |
水素貯蔵のための新規アンモニア合成触媒の開発 |
堺化学工業(株) |
福島県
いわき市 |
〈再生可能エネルギー管理分野〉
課題名 |
企業名 |
地域 |
クロス発電の実証 |
いいたてまでいな再エネ発電(株) |
福島県
飯館村 |
今後、令和2年度末までの計画で、FREAのノウハウや研究設備などを活用し、被災地企業が持つ再生可能エネルギー関連技術シーズの開発・技術支援を行う。