国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下、産総研という)は、2019年4月1日に新たな研究推進組織「センシングシステム研究センター」【研究センター長 鎌田 俊英】を設立しました。わが国が目指す未来社会「Society 5.0」で求められる「サイバー空間(仮想空間)」と「フィジカル空間(現実空間)」をつなぐ「センシング技術」の研究開発に取り組みます。
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センシングシステム研究センターのねらい |
IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながるSociety 5.0では、人々が生活するフィジカル空間で生じるさまざまなイベントをセンシング・情報化し、サイバー空間へつなぐことが求められます。センシングの対象は自動車や工場などの機械システムや、道路や橋などのインフラ、職場や生活環境などさまざまです。中でも、対象が見えないもの、例えばウイルスなど病原体といった脅威や、人々の心身で感じている快適さや苦痛といった感性などが特に難しいとされます。当研究センターでは、これらの人々の周囲と内面の情報を見える化し、安全・安心で心身ともに健康で豊かな暮らしに貢献する高性能センシング技術の開発を目指します。
産総研ではこれまでに、フレキシブル実装技術、MEMS集積技術、光センシング技術などを開発してきました。これらに加えて駆動電源やデータの無線伝送などの技術を統合し、新たなサービス創出や社会課題へのソリューション提供の鍵となるセンシングシステムを開発します。さらにセンシングシステムの研究開発を迅速に行えるプラットフォームを構築するとともに、産総研内の各研究ユニットで展開されているセンサー関連研究を集約し、産業界のニーズに応じた連携を促進することで、Society 5.0時代の新たな価値のサービスを創出できる場を提供します。