ドイツ航空宇宙センター【理事長 パスカル・エーレンフロイント】(以下「DLR」という)と国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)は、産総研およびDLRのDLR ケルン、DLR シュツットガルト、DLR ベルリンを中核として、エネルギー変換・貯蔵の研究開発に関する連携を推進することを目的とした研究協力覚書(以下「MOU」という)を平成29年3月19日に締結します。
本MOUに基づいて、DLRと産総研は、熱電変換デバイス評価技術の高度化・高精度化による熱電変換技術の実用化と、リチウムイオン電池の相補的な技術開発による国際研究開発力と産業競争力の強化をより一層推進します。双方の研究開発ポテンシャルを補完し合うことにより世界的な研究拠点になることを目指します。
なお、今般のMOU締結に際し、駐日ドイツ連邦共和国大使館 ハンス・カール・フォン・ヴェアテルン大使、ドイツ連邦共和国 経済・エネルギー省産業政策局 ヴォルフガング・シュレメート 局長、経済産業省(以下「経産省」という) 産業技術環境局 末松 広行 局長の臨席のもと、20日から開催されるCeBIT2017(国際情報通信技術見本市)の開催に先立ち、ドイツ連邦共和国ハノーバー市内ハノーバー国際見本市会場においてDLRパスカル・エーレンフロイント理事長と産総研 中鉢 良治理事長によるMOU署名式を行います。
産総研は、平成 27 年度より経産省受託「革新的エネルギー技術国際共同研究開発事業」(以下「革新事業」という)において、「低毒性・超高効率熱電変換デバイスの開発」および「過酷温度環境作動リチウムイオン二次電池の開発」を実施し、同事業において、DLRとの連携を進めてきました。平成28年2月にDLR エーレンフロイント理事長が経産省を訪問し、産総研同席の上意見交換したところ、すでに連携関係のあったエネルギー分野での連携強化が確認されました。また平成 28 年 8 月には、 DLRと産総研との間で意見交換を行い、革新事業における熱電変換材料技術とリチウムイオン電池技術の両分野における研究協力促進を確認いたしました。
このたび、エネルギー変換・貯蔵分野における研究協力に関するMOUを平成29年3月19日に締結し、研究連携の拡充と強化を図るとともに、本分野での世界的な研究拠点化を目指します。
DLRは、広範な研究分野において基礎・応用科学研究を実施しており、特に最近はエネルギー分野の研究開発を進めています。これまでに産総研はDLRと熱電材料技術に関する研究協力を行っており、相互訪問などを通じて、強固な人的ネットワークを築いてきました。
平成27年度から開始された革新事業の実施に加え、研究連携の基本的な取り扱いを合意することにより、双方向の研究者交流と研究協力の一層の推進が期待できます。
熱電変換材料およびリチウムイオン電池技術などに関する研究をDLRと協力して行うことで、エネルギー分野における産総研の国際研究開発力を強化するとともに、同分野での我が国の産業競争力強化に貢献し、低炭素・省エネルギー社会の実現に向けての技術革新を加速することを目指します。
1.低毒性・超高効率熱電変換デバイスの開発
産総研 省エネルギー研究部門および無機機能材料研究部門と、DLR ケルンおよびDLR ベルリンとが連携して、熱電変換デバイスの開発や、熱電変換材料とデバイスの評価技術の開発、標準化を行います。
2.過酷温度環境作動リチウムイオン二次電池の開発
産総研 省エネルギー研究部門と DLR シュツットガルトとが連携して、低温環境におけるリチウムイオン二次電池の劣化メカニズムの解明と、高性能なリチウムイオン二次電池の開発指針の確立を目指します。