国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)においては、経済産業大臣が定めた中長期目標(2015年度〜2019年度)(注1)に基づき中長期計画(同期間)(注2)を定めておりますが、昨今の科学技術の進展および産業・社会の最新の動向を踏まえ、さらに長期的視点から、平成28年6月28日に「産業技術総合研究所の2030年に向けた研究戦略」を別紙のとおり策定しました。産総研としては、幅広い産業技術の総合研究機関として2030年を見据え、新たな技術シーズを創出し産業界へ「橋渡し」し続けるのに加え、誰もまだ実現していない新製品・新産業を、世界に先駆けて作り出すことによって、「新技術・新産業は産総研から生まれる」という理想像を追求していきます。加えて、産総研の研究成果が地域の中小・中堅企業やベンチャー企業によって最大限に活用され、日本の活力と産業競争力を増進させるような取り組みを行っていく予定です。
これまで培ってきた技術シーズや研究開発ポテンシャルをもとに、以下の4つの新しい産業・社会の実現に向けた研究開発を推進し、科学技術イノベーションを主導します。産総研は「次世代の新産業を創る」ことを念頭に、我が国における人口減少や高齢化、地球規模の温暖化や感染症問題、IoT時代の情報化社会におけるセキュリティ確保、安全・安心な産業・社会の実現等を目指し、新たな産業の創出にチャレンジします。
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情報・データの価値創出による超スマートな産業・社会
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低炭素、資源循環を基軸とするサステナブルな産業・社会
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物質・生命の本質を理解し制御・活用する産業・社会
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科学技術を基盤とした安全・安心な産業・社会
この研究戦略は、内部の研究者を中心に議論したものですが、将来的に新技術や新製品・新サービスに対する価値観そのものが大きく変化する可能性を考慮し、日々の研究活動、大学や他研究機関との学術的な交流、産業界との連携・協力、社会との対話を通じて、この研究戦略が常に最新かつ最適なゴールを目指すように、常にブラッシュアップを続けていきます。
2030年に向けた産総研の研究戦略
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