日本ゼオン株式会社(代表取締役社長 田中 公章、以下 日本ゼオン)と国立研究開発法人 産業技術総合研究所(理事長 中鉢 良治、以下 産総研)は、6月1日に、「日本ゼオン-産総研 カーボンナノチューブ実用化連携研究ラボ」を設立することに合意しました。
本連携研究ラボでは、組織間の垣根を取り払い、産総研が開発したカーボンナノチューブ(CNT)の合成法「スーパーグロース法(SG法)」の実証プラントなどの基盤研究設備と研究員を活用して、SG法をベースとした高効率合成法、ならびに次世代合成法によるCNTの量産化に係る研究開発を推進し、CNTの各種工業材料としての展開を見据えた、より一層のコストダウンおよび生産量向上を目指します。これにより、産総研が推進する評価技術・リスク評価・新規用途開発などの広くCNT産業の振興に努める研究の促進も期待されます。これらを通して、世界一のCNT産業の構築を目指します。産総研の材料分野では、初めての企業の名称を冠した連携研究ラボとなります。
CNTは、日本の飯島 澄男 博士が発見し、日本が世界をリードしている材料です。軽量、高強度であり、電気や熱の伝導率が高いことから、さまざまな用途への利用が期待されています。
産総研は、2004年に畠 賢治 博士らにより見出された革新的なCNTの合成法であるSG法の基盤技術を開発しました。その後、日本ゼオンとともに、経済産業省・NEDO「カーボンナノチューブキャパシタ開発プロジェクト」(2006~2010年度)などにおいて、SG法によって製造される高品位なCNT、すなわちSGCNTの量産技術開発を進め、2011年よりサンプル提供による技術普及活動を進めてきました。また、昨年、日本ゼオンは、産総研の量産実証プラントで得られた技術を活用し、世界で初めてSGCNTの量産工場を完成させました(注1)。
SGCNTは、他のCNTと比較して高アスペクト比、高純度、大表面積といった特長を有します。そのため、高性能キャパシタ、高機能ゴム材料、高熱導電材料など、従来にない機能や性能を持つ革新的材料や次世代デバイスなどへの応用が期待される材料です。今後、その需要は飛躍的に拡大すると予想されます。日本ゼオンは、これら応用製品の市場での需要に応えるべく、2015年11月からSGCNT量産工場の稼働を開始しました。
本連携研究ラボにおいては、CNTの各種工業材料としての展開を見据えた、より一層のコストダウンおよび生産量向上を目指し、「スーパーグロース法をベースとした高効率合成法、ならびに次世代合成法によるカーボンナノチューブの量産化に係る研究開発」を実施します。
名称:日本ゼオン-産総研 カーボンナノチューブ実用化連携研究ラボ
(設置日 平成28年7月1日)
場所:産総研つくばセンター(茨城県つくば市)
研究体制:
連携研究ラボ長:上島 貢(日本ゼオン株式会社)
人員:計10名程度(設立時は9名程度の予定)