産総研 - ニュース お知らせ

お知らせ記事2014/10/01

産総研とコマツが連携・協力に関する協定を締結
-人材交流を核として先端技術の事業化を推進し、日本発イノベーションの創出へ-

ポイント

  • 建設・鉱山機械分野およびICTなどを含むその関連技術分野において、コマツのニーズと産総研の技術ポテンシャルとの間の「橋渡し」を人材交流を核にして推進
  • ニーズと技術ポテンシャルが合致した場合には共同研究などを実施し実用化を図る
  • ICT建設機械を活用した全く新しい土木・建設工事現場の実現に向け、日本発イノベーションの創出を目指す

概要

 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)とコマツ【社長 大橋 徹二】は、連携・協力に関する協定(以下「本協定」という)を本日締結した。

 本協定に基づき人材交流を実施し、その人材を核として建設・鉱山機械分野およびICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)などを含むその関連技術分野において、連携可能な研究テーマを探索する。コマツのニーズと産総研の技術ポテンシャルが合致した場合には、共同研究などを実施する。

 これらの活動を通じて、ICT建設機械を活用した全く新しい土木・建設工事現場を実現し、日本発イノベーションの創出により我が国産業の発展に貢献することを目指す。

連携内容概要図

 

協定締結の背景・ねらい

 産総研は、クラウドコンピューティングの高機能化などの情報技術および東京電力福島第一原子力発電所の原子炉建屋向け高所調査用ロボットや生活支援ロボットを含む多様なロボット技術などにおいて、先駆的な技術の蓄積と高度な研究開発ポテンシャルを持つ。また、「日本再興戦略」改訂2014および科学技術イノベーション総合戦略2014(いずれも2014年6月24日に閣議決定)に沿って、革新的な技術シーズを事業化に結びつける「橋渡し」機能と将来の産業や社会のニーズなどを予測するマーケティング機能の強化に取り組んでいる。

 コマツは業界に先駆けて建設・鉱山機械のICT化を推進してきた。それにより、建設・鉱山機械のライフサイクルコストの改善や世界初の無人ダンプトラック運行システムの実用化などを実現している。今後、ICT化をさらに推進し、ICT建設機械を使った新たなビジネスモデルの創出と全く新しい土木・建設工事現場の実現を目指している。

 本協定により、産総研が有する先端技術および研究開発ポテンシャルとコマツが有する建設・鉱山機械分野における市場ニーズを捉えた技術経営力というそれぞれの強みを融合させ、革新的な技術シーズを事業化に結びつけ、建設・鉱山機械分野での新たな日本発イノベーションの創出を目指す。

具体的な連携・協力内容

 本協定に基づく連携・協力事項として、2014年10月1日付で産総研職員1名がコマツへ出向し、コマツのニーズと産総研などが有する先駆的・革新的な技術との間の「橋渡し」活動を行い、共同研究テーマの探索を行う。コマツのニーズと産総研の技術ポテンシャルが合致した場合には、共同研究などを実施する。

用語の説明

◆クラウドコンピューティング
ネットワーク上にある情報サービス(CPU、ソフトウエア、データベースなど)を必要に応じて提供、利用するコンピューターの使用形態。利用者から見て、サービスを提供するサーバーがどのように接続されているかを意識する必要がなく、「雲」のようなところからさまざまなサービスを利用できるというイメージから、このように呼ばれるようになった。[参照元へ戻る]
◆生活支援ロボット
人の生活環境で人を支援するロボット。高齢者の日常生活維持などのために人を乗せて移動する搭乗型ロボット、障害者などの身体機能を支援する装着型ロボットや介護支援ロボット、清掃ロボットなどがある。[参照元へ戻る]
◆ライフサイクルコスト
建設・鉱山機械の購入から廃棄・売却までにかかる費用の総和。購入費、修理費、整備費、燃料費、オペレーター費などが含まれる。[参照元へ戻る]