国際陸上科学掘削計画(ICDP: International Continental Scientific Drilling Program)の一環として、アルパイン断層深部掘削プロジェクト「Alpine Fault, Deep Fault Drilling Project(DFDP)」が10月1日から開始されます。
ニュージーランド南島西海岸のアルパイン断層は、平均330年の間隔で大地震を発生させている活動度の高い断層で、最近では1717年に活動しています。本科学掘削では、アルパイン断層深部における地震発生過程を解明するため、ニュージーランド南島西海岸のファタロア川(Whataroa River)で、深度約1.3 kmの掘削を行います。この掘削では、断層試料の回収や物理検層などを実施する予定です。
日本からは、日本地球掘削科学コンソーシアムの海外若手派遣プログラムのサポートを受けた大学院生・ポスドク3名を含む計12名が参加します。日本とニュージーランドのほか、米国、欧州、カナダ、オーストラリアからの研究者も含め、計90名以上が参加します。
なお、本科学掘削の準備として、計画立案段階において国立大学法人東京大学が、掘削実施段階において独立行政法人産業技術総合研究所がそれぞれ中心となり、日本地球掘削科学コンソーシアムのサポートのもと、ニュージーランド側研究者との協議を進めてきました。また、文部科学省の科学研究費補助金事業、新学術領域研究「地殻ダイナミクス-東北沖地震後の内陸変動の統一的理解-」の一環としても、本科学掘削研究に取り組みます。