米国国立再生可能エネルギー研究所【研究所長 ダン・アルビズ】(以下「NREL」という)と独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)は、平成26年4月に福島県郡山市に開設した産総研福島再生可能エネルギー研究所及びNRELのエネルギーシステム統合施設(Energy Systems Integration Facility: ESIF)を中核として、再生可能エネルギーの研究開発に関する連携を推進することを目的とした研究協力覚書(以下「MOU」という)を平成26年4月18日に締結する。
本MOUに基づいて、これまでの太陽光発電やバイオ燃料などの基盤技術および国際標準化技術に関する研究連携に加えて、太陽光発電、風力発電、電力貯蔵、水素エネルギー貯蔵から構成される再生可能エネルギーシステムの最適運用のための評価技術の開発をより一層推進する。世界的にもポテンシャルの高いNRELと協調し、双方の研究ポテンシャルを補完し合うことにより福島再生可能エネルギー研究所が世界的な研究拠点になることを目指す。
|
調印式の様子
(左)NREL ダン・アルビズ研究所長 (右)産総研 中鉢理事長 |
NRELと産総研は、環境・エネルギー分野における研究協力に関するMOUを平成21年5月4日に締結し、太陽光発電技術、バイオ燃料技術などに関する研究協力を実施してきた。平成25年7月に茂木経済産業大臣が訪米した際に、茂木大臣とMoniz米国エネルギー省長官とが発表した共同声明には、産総研と、NRELを含む米国エネルギー省傘下の国立研究所とが連携したクリーンエネルギー技術の開発の促進がうたわれた。
平成26年4月の産総研福島再生可能エネルギー研究所の開設、および平成21年に締結したMOUの期間満了にあたり、新たに再生可能エネルギーシステムを最適化するための評価技術開発を連携テーマに加えたMOUを締結し、研究連携の拡充と強化を目指す。
NRELは、米国エネルギー省傘下の国立研究所として、太陽光発電、バイオ燃料、風力発電などの再生可能エネルギーと、エネルギー効率に関する研究開発を実施している。2013年より、ESIFを設置し、再生可能エネルギーの有効利用のために必要な機器の開発、評価を行っている。
産総研は、優れたクリーンエネルギー技術を持つ米国などの企業や研究機関などと国際共同研究プロジェクトを実施することにより、先進的なクリーンエネルギー技術の迅速な確立を目指している。
平成21年11月に経済産業省と米国エネルギー省間で合意した日米クリーンエネルギー技術アクションプランに基づき、再生可能エネルギー技術分野、特に太陽電池の耐久性・信頼性向上や地熱エネルギー抽出量増大技術、および再生可能エネルギーシステム最適化のための評価技術の開発に取り組んでおり、これら評価技術の国際標準化や認証への活用を目指している。
また、NRELにドイツ・フラウンホーファー研究機構を加えた日米独の連携により太陽電池パネルの性能・信頼性評価技術や国際標準化のための技術を確立し、再生可能エネルギーの速やかな導入拡大を目指している。
(1)再生可能エネルギーシステム統合(Renewable Energy System Integration)
-
産総研福島再生可能エネルギー研究所とNRELの ESIFとが連携
-
太陽光発電、風力発電、電力貯蔵、水素エネルギー貯蔵などから構成される再生可能エネルギーシステムの最適利用のための評価技術の開発
(2)太陽光発電(Solar Photovoltaics)
-
太陽電池および太陽光発電の性能や信頼性を向上するための技術、および試験・評価するための技術開発
(3)バイオ燃料(Biofuels)
-
セルロース系エタノール生産のための糖化技術の改良と評価