独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)地質調査総合センター【代表 佃 栄吉】はホスト国主催者として、東・東南アジア地球科学計画調整委員会(以下「CCOP」という)の年次総会を、2013年10月20日(日)~26日(土)に仙台国際センター(宮城県仙台市)で開催する。
この年次総会では、CCOPの年間事業報告、加盟国と協力国の活動報告がなされるほか、技術セッションでは「地質災害」をテーマに各国の研究成果や課題などが発表される。参加者は約150名(うち、海外から約110名)を予定している。21日(月)の開会式には、仙台市長、東北大学総長、経済産業省・外務省の関係者、産総研理事長も列席する。なお、この年次総会に合わせて、アジア環太平洋地域の地震・火山防災をテーマにした、「第2回G-EVER国際シンポジウム、第1回IUGS・日本学術会議国際ワークショップ」が、10月19日(土)~20日(日)に仙台市情報・産業プラザで開催される。
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(左)CCOP加盟国(赤字)、(右)CCOPロゴマーク |
CCOP(Coordinating Committee for Geoscience Programmes in East and Southeast Asia)は、東・東南アジア地域における経済発展と生活レベルの向上を目的として、地球科学分野のプロジェクトやワークショップなどの推進・調整を行う政府間機関であり、持続可能な資源開発、地質情報の整備、地質災害の軽減、環境保護などにおける能力開発、技術移転、情報交換、組織間の連携を推進している。
CCOP は、1966 年に国連付属機関として設立され、1987年に政府間機関に移行した。本部はタイ・バンコクに置かれている。現在、13カ国が加盟しており、また、活動を資金的・技術的に援助する協力国として米・英を含む15カ国が参加している。さらに協力機関として、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)や世界銀行など14の機関がCCOPを支援している。
日本は CCOP創立以来の加盟国かつ協力国であり、各種プロジェクトへの資金協力や専門家の派遣などを通じて協力を行っている。なお、現在、CCOP日本代表(Permanent Representative)は産総研 地質調査総合センター代表が務めている。
CCOPの年次総会は加盟国の持ち回りで開催されており、2013年(第49回)年次総会は日本で開催することとなった。前回の日本開催は、2004年のつくばである。
年次総会には、加盟国・協力国・協力機関の代表、名誉顧問、事務局が参加し、CCOPの年間事業報告、加盟国と協力国の活動報告のほか、特定のテーマに対する各国の状況や課題の発表とCCOPの今後の活動方針などを討議する技術セッションが行われる。今回の技術セッションでは、産総研 地質調査総合センターの提案により、東日本大震災に代表される地質災害をテーマに、地震、津波、火山噴火、地滑り、洪水などの災害を対象にした研究・調査成果の発表やアジアにおける将来の活動に関する意見交換が行われる。なお、年次総会での議事内容は、総会後に報告書として公表される。また、年次総会に合わせて開催される「第2回G-EVER国際シンポジウム、第1回IUGS・日本学術会議国際ワークショップ」には当日参加が可能である(ただし、使用言語は英語のみで、日本語通訳はつかない。)。
今回の年次総会は、東日本大震災の被災地である宮城県仙台市で開催することで、CCOP関係者に地震災害の様子や復興の状況を伝える。会期中の10月24日(木)には、名取市などを視察する予定である。
今後も産総研 地質調査総合センターでは、アジア地域における国際連携の重要なハブ機関として、CCOPの活動に積極的に協力していく。CCOPへの協力を通じて、東・東南アジアにおいて研究ネットワークを展開し、地質災害に関する地質情報などといった地球科学の知識を応用して、加盟国における経済成長と環境の保全および生活の質向上に貢献していく。