つくばイノベーションアリーナ(TIA-nano)では、日本が21世紀のナノテクノロジー産業の推進役として世界をリードすることを目的として、国の支援のもと、つくばにおいて世界最先端のナノテクノロジー研究開発拠点の整備・拡充に取り組んでいます。
このたび、TIA-nanoの中核機関である独立行政法人産業技術総合研究所、独立行政法人物質・材料研究機構、国立大学法人筑波大学に加え、新たに大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構が中核機関として参加することになりました。今後はこれら4機関を中核として世界的なナノテクノロジー研究・教育拠点活動を推進していきます。
TIA-nanoとは世界水準の先端ナノテク研究設備・人材が集積するつくばにおいて、内閣府、文部科学省及び経済産業省からの支援を得て、産業技術総合研究所(産総研)、物質・材料研究機構(NIMS)、及び筑波大学が中核機関となり、産業界が加わって、世界的なナノテクノロジー研究・教育拠点構築を目指すものであり、2009年6月に中核機関の代表者及び日本経済団体連合会(経団連)による共同宣言が行われました。
TIA-nanoは、2010年6月に閣議決定された『新成長戦略~「元気な日本」復活のシナリオ~』においても「21世紀の日本の復活に向けた21の国家戦略プロジェクト」の中の一つに位置付けられており、今後ナノテクノロジーに係る研究開発・人材育成活動を軸に、我が国のみならず世界的なイノベーションエンジンとなることが期待されています。
この度、TIA-nano活動の更なる推進とインフラ拡大に向け、新たにKEKが中核機関として参加することになりました。KEKは大規模な放射光施設や大強度陽子加速器施設(J-PARC)など多くの最先端インフラを有しており、今後はこれらを基盤に放射光施設のトライアルユース、高性能検出器を利用した新たな研究分野の開拓、豊富な研究者受け入れ実績に基づく新たな連携の拡充が期待されます。
KEKは、粒子加速器を研究手段に用いて宇宙・素粒子・原子核・物質・生命の謎を解き明かす加速器科学を推進し、国内外の研究者に対して共同利用・共同研究の場を提供することを目的とする大学共同利用機関法人としてつくばに設立されました。現在は素粒子原子核研究所及び物質構造科学研究所、並びに加速器研究施設及び共通基盤研究施設により、世界最先端の研究を推進しています。
TIA-nanoは今後、KEKを加えた中核4機関を軸とし、組織を超えて世界最先端イノベーション拠点構築に向けた取り組みを推進すると共に、先端ものづくり国家としてのわが国の繁栄と世界的な課題解決への貢献を目指します。