独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 野間口 有】(以下、「産総研」という)、国立大学法人 九州工業大学【学長 松永 守央】(以下、「九工大」という)及び北九州市【市長 北橋 健治】は、平成24年2月10日、研究開発や人材育成の連携・相互協力に関する協定を相互に締結する。
協定に基づき、連携する第一弾の具体的テーマとして「環境エレクトロニクス」の研究に関する覚書を併せて三者で締結する。この連携・協力の推進にあたっては、北九州市環境未来都市の実現、北九州学術研究都市を核とした研究拠点化の推進に特に留意することとしている。
|
締結式の写真
左から九州工業大学 松永学長、 産総研 野間口理事長、 北九州市 北橋市長 |
産総研は、産業技術系の旧国立研究所群を統合して平成13年4月に発足した日本最大級の公的研究機関である。約2千人の研究者が環境・エネルギー、ライフサイエンス、情報通信・エレクトロニクス、ナノテクノロジー・材料・製造、標準・計測、地質という多様な研究分野で世界を先導する研究を行うとともに、産業界・大学・行政とも積極的に産学官連携を行い、基礎研究から製品化研究まで幅広い連続した研究を実施している。
九工大は、開学以来100年余にわたって新しい技術や産業を創成し、世界をリードする高度技術者を輩出してきた。地球環境の維持と人類の活動の持続的な成長を支えることが21世紀の科学と技術の理念と考え、地域社会の要請に応え、わが国から世界に向けてイノベーションを発信することを通して、次世代社会の創出・育成に貢献することを目指している。
ものづくりのまちとして発展してきた北九州市は、公害克服やその経験を活かした国際協力、資源循環型社会づくりなどの実績を多数有しており、昨年には、OECD(経済協力開発機構)からグリーン成長に関する世界のモデル都市に、国内では環境未来都市に選定されるなど国内外で高い評価を受けている。また、九工大のほか北九州市立大学、早稲田大学など理工系の大学や16の研究機関、50を超える研究開発型企業が集積する北九州学術研究都市をはじめ知的基盤が集積しており、そこから生み出される研究成果を活用し、新産業の創出や地域企業の技術高度化に繋がる研究開発機能の強化を目指している。
産総研・九工大・北九州地域の研究機関等との共同研究・連携や研究者交流・実践的な人材育成の促進、北九州学術研究都市を核とした研究拠点化とオープンイノベーションの推進などを主な狙いとして三者の方向性が合致し、かつ、連携により相乗効果が期待できることから連携・協力協定を締結することとなった。
共同研究や人材交流などを進めることで、わが国及び北九州市の産業競争力の強化と、活力のある個性豊かな地域社会の形成・発展、地域産業の振興に寄与することを目的として締結する。
連携・協力の内容は次のとおり。
○共同研究等の研究協力 ○研究交流及び人材交流
○教育・人材育成の相互支援 ○研究施設・設備の相互利用 等
連携・協力を具体的に推進するための体制として、連携協議会を設置する。
「環境エレクトロニクス」以外の連携・協力の具体的なテーマの選定や、連携・協力の円滑な推進のために、三者の関係職員からなる連携協議会を開催し協議する。
「環境エレクトロニクス」については、具体的かつ円滑な連携・協力の推進のために連携推進委員会を開催し、実施にあたっては契約締結など所定の手続きを行って進める。