独立行政法人産業技術総合研究所【理事長 野間口 有】(以下「産総研」という)太陽光発電研究センター【研究センター長 近藤 道雄】は、別紙に示す民間企業31社と共同で、「高信頼性太陽電池モジュール開発・評価コンソーシアム」を2009年10月1日付で発足させた。太陽光発電技術研究組合が連携機関として参画し意見交換を進めるとともに、9団体が協力機関として参画する。連携機関、協力機関についても併せて別紙に示す。期間は2009年10月1日から2011年3月31日までである。
太陽光発電の早期のグリッドパリティ実現には、太陽電池モジュールの信頼性の向上と長寿命化によるコストの低減が必須である。本コンソーシアムでは、産総研が化学メーカー、部材メーカーを中心とする民間企業31社と共同で、太陽電池モジュールの信頼性・寿命の支配的要因となるモジュール周辺部材について検討し、新規モジュール部材・モジュール構造の有用性を検証する。
つくばセンターにある小サイズモジュールの試作・評価設備等を利用して、コンソーシアムに参画した民間企業と産総研が集中的に検証研究を実施できる環境を整えるとともに、系統的な研究によるデータベースの構築を図る。また、長期屋外曝露試験と加速劣化試験の結果を比較検討することにより、屋外曝露により発現する不具合要因を明確化する。さらにはこれらの共同研究活動を通じた人的ネットワークの構築により、産業界の若手人材の育成に資する。対象とする太陽電池の種類は、主として結晶シリコン系太陽電池、薄膜シリコン系太陽電池、化合物薄膜系太陽電池である。
太陽光発電のコスト低減には、発電効率の向上、製造コストの削減とともに、太陽電池モジュールの信頼性向上・長寿命化が不可欠である。太陽電池モジュールの信頼性や寿命はモジュールに使用される充填材、バックシート、シール材、配線材等の周辺部材によるところが大きく、これらの部材を製造するメーカーでは新規製品の開発が行われている。
太陽電池モジュール周辺部材を製造する化学メーカー、部材メーカーからは、新規に開発した部材を用いた太陽電池モジュールの性能を評価するため、新規部材の有用性を検証する体制整備が重要であるとの声が寄せられていた。
このような化学メーカー、部材メーカーの声に応える形で、産総研太陽光発電研究センターは、産総研と複数の民間企業が共同で太陽電池モジュールの信頼性向上・長寿命化に資するコンソーシアム型共同研究を実施すべく、2009年2月に2回の公開説明会を開き、数十社の民間企業とコンソーシアム設立に向けて調整を進め、今回の発足に至ったものである。
「高信頼性太陽電池モジュール開発・評価コンソーシアム」に参画する民間企業
旭化成ケミカルズ株式会社、旭硝子株式会社、エスペック株式会社、大倉工業株式会社、株式会社カネカ、株式会社クラレ、シーアイ化成株式会社、株式会社スリーボンド、積水化学工業株式会社、ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社、ダイキン工業株式会社、大研化学工業株式会社、ダイセル化学工業株式会社、大日本印刷株式会社、DIC株式会社、デュポン株式会社、電気化学工業株式会社、東洋アルミニウム株式会社、東洋紡績株式会社、東レ株式会社、東レエンジニアリング株式会社、凸版印刷株式会社、日産化学工業株式会社、日東電工株式会社、日立化成工業株式会社、富士フイルム株式会社、藤森工業株式会社、三井化学株式会社、三井・デュポンポリケミカル株式会社、三菱樹脂株式会社、リンテック株式会社
(計31社、五十音順)
連携機関
太陽光発電技術研究組合
協力機関
株式会社エヌ・ピー・シー、菊水電子工業株式会社、株式会社コベルコ科研、Saes Getters S.p.A、帝人デュポンフィルム株式会社、財団法人電気安全環境研究所、東レ・ダウコーニング株式会社、YOCASOL株式会社、レーザーテック株式会社