独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 吉川 弘之】(以下「産総研」という。)が、平成14年8月から宮城県仙台市泉区に建設を進めてまいりました「平面ディスプレイ超先端研究センター」が平成16年3月末日に竣工いたしました。同センターは、経済産業省の平成13年度第2次補正予算で整備したものであり、地上2階建て延床面積約9,760m2で、約2,500m2のクリーンルーム(クラス1,000、一部クラス10)を有した研究施設であります。
産総研は、株式会社フューチャービジョン【代表取締役社長 島 亨】(パネルメーカー・装置メーカー・材料メーカー・建設関係の国内企業二十数社の共同出資会社)と共同で「大型FPD連携研究体【連携研究体長 小園 裕三】」を構成し、同センターにおいて国内液晶産業の圧倒的な国際競争力獲得を目標とし、具体的には、「30型以上のHDTVクラスの高精細液晶ディスプレイを20万円以下で実現できる製造技術の確立」を目指し、研究開発を推進していきます。なお、株式会社フューチャービジョンは、東北大学のサポートを受けて研究を実施していくことになっています。
本施設の特長としては、クリーンルームを構成する材料、電気、機械の各設備に、徹底した有機物汚染対策、電源電位のゆらぎ対策、微振動対策等を施し、施設・研究開発設備一体として、製造プロセスにおける阻害要因を極力排除した他に類を見ない研究環境を実現しています。
同研究センターにおける主な研究内容としては、投資生産性の大幅向上、工場面積の大幅縮小、電力・薬液・ガス消費量の大幅低減を目指すために、下記の研究を進めていきます。
(1) 大型TFT基板用低コスト製造装置・プロセスの研究
(2) 低コストの液晶ディスプレイ構成部材の開発、製造プロセス簡略化の研究
(3) 工場生産性の解析手法に関する研究、高電圧給電、クリーンルーム内不活性ガス消火法の研究