独立行政法人産業技術総合研究所【理事長 吉川 弘之】(以下「産総研」という)と豊田合成株式会社【代表取締役社長 松浦 剛】(以下「豊田合成」という)は、窒化ガリウム高品質結晶に関して技術移転を伴う共同研究を開始することにいたしました。
窒化ガリウム(GaN)系化合物半導体は、20世紀には実現不可能とされていた青色LEDの基本材料として実用化されています。現在、GaN系LEDは、携帯電話、信号機等に使用されるようになり、今後は照明用の光源として期待されるばかりでなく、既存の半導体に替わる優れた材料と有望視されています。従って、今後ますますGaN系半導体結晶の高品質化技術の確立が重要となります。
産総研は、半導体材料の評価解析技術や吉田 貞史他2名が開発した「窒化ガリウム単結晶膜製造法(特許第1268400号)」を用いた窒化物半導体結晶成長において世界でも有数の優れた研究実績を有しています。一方、豊田合成は、長年の研究開発の結果、高輝度の青色LEDの開発に成功し、その後も新製品を市場に投入してきました。
今回の共同研究においては、産総研が持つ高い研究成果と技術力を技術移転するとともに、その研究成果を基にGaN結晶成長メカニズムを解明することにより、高品質のGaN系半導体の結晶を実現することを目指します。
なお、産総研と豊田合成は、立命館大学、NEC他7社とともに高周波デバイス研究開発プロジェクト(財団法人 新機能素子研究開発協会)において既に協力体制を組んでおり、今回の共同研究をもって更に協力体制を密にし、レベルの高いアウトプットを目指す所存です。