独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 吉川 弘之】(以下「産総研」という)は、平成15年11月、「産総研工業標準化ポリシー」を策定し、内外に向けて、産総研が所を挙げて工業標準化に取り組む姿勢を明確にした。
具体的には、(1)標準化を視野に入れた研究開発の推進、(2)研究開発成果の普及に資する規格の作成、(3)国際標準化活動への参画、特に国際標準化機関や国際的なフォーラムの議長、コンビナー等の積極的引受け、等に力点を置くこととした。
このポリシー策定により、研究開発成果の標準化による普及の促進、特に先端技術等技術革新の早い分野での産業競争力強化への貢献、また、産総研の研究ポテンシャルを活用した標準化の推進による、環境問題対策、高齢者/障害者配慮等の社会問題解決への貢献、さらに、国際標準化活動への取組強化による我が国が開発した技術の国際展開の促進や国際貢献に大きく資することが期待される。
産総研では、平成13年4月に産総研の独立行政法人への移行と同時に成果普及部門【部門長 古橋 政樹】の中に工業標準部【部長 山内 徹】を設置し、(1)研究成果の工業標準化への展開、(2)工業標準化を目的とする研究の実施、(3)国内・国際標準化活動への支援等の業務を行ってきており、また、平成14年11月には「産総研・工業標準化戦略」を策定し、所内の工業標準化活動の指針を示すとともに、工業標準化活動への対応の強化を図ってきた。
その後、平成15年6月に総合科学技術会議知的財産戦略専門調査会において「知的財産戦略について」の意見具申がなされ、その中で研究開発・知的財産戦略・標準化戦略の一体的推進の重要性が強調され、関係省庁が実現に向けて一丸となって取り組むことが要請されており、公的研究機関である産総研として、研究開発と工業標準化との連携の重要性が一層増大してきている。
産総研は、研究開発ポテンシャルを活用して工業標準化に所を挙げて取り組んでいく必要性が更に高まったことを踏まえ、このたび「産総研工業標準化ポリシー」を策定したものである。