ナノテクノロジー(NT)、バイオテクノロジー(BT)の重要性が叫ばれて、世界的にもこれらの先端技術が次の世代の新しい研究開発を創成する予感が感じられます。ナノテクノロジーは日本の半導体技術における微細化技術をベースに日本が得意とする分野であり、またバイオテクノロジーはヒトゲノム解析が終了し、ポストゲノムの新たな目的設定が必須になっています。さらにIT技術も、ナノバイオとの接点ではバイオインフォマティクスの大きな流れが期待されます。このようにNT、BT、ITは、各々の特徴をいかして融合を果たし新しい研究分野を切り開かなければならない宿命を帯びてきています。
このような状況下において、今般、産業技術総合研究所、早稲田大学、東京農工大学は各々の特徴を活かして相補的にこの新しい先端分野に挑戦すべく、世界的なナノバイオIT融合研究を目指して、三者の研究協力を確認することになりました。
1)具体的な学術研究交流事項
・ 教官(教員)、研究者および学生の交流
・ 共同研究の実施
・ 学術研究資料の交換
その他、学術研究交流に係る事項
2)協定期間
2003年9月1日から5年間
3)共同研究の実施について私立大学、国立大学、独立行政法人研究所という、今までにない組み合わせで共同研究を推進します。早稲田大学のナノテクノロジーおよびIT研究の中心と、東京農工大学のバイオテクノロジー研究の中心と、産総研のナノグループ、バイオグループ、バイオインフォマティクスグループを融合することで新しい研究分野を切り開き、研究成果の活用を進めます。
4)新しい交流システムについて(今後具体化)
(1)前項の共同研究を推進するための研究交流のみならず、学生の相互乗り入れ、研究指導の相互乗り入れなどを進めていきます。
(2)バイオナノITの世界的レベルの融合研究センターを設立し、新しい研究分野開拓を目指す、学術研究交流拠点とします。
わが国におけるナノバイオIT融合領域の人材養成に貢献するため、既存の人材養成プログラムの活用とともに、新規な人材養成プログラムを構築します。また、この分野の技術経営に関わる人材の育成をはかるためにMOTプログラムも構築します。