独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 吉川 弘之】(以下「産総研」という)が、かねてより財団法人 日本自動車研究所【理事長 宗国 旨英】(以下「JARI」という)の敷地内に建設してまいりました「環境調和型ディーゼルシステム共同研究センター」が、平成15年3月末日に竣工致しました。
産総研は、JARIと共同で「環境調和型ディーゼルシステム連携研究体【連携研究体長 水野 建樹】」を構成し、今後、本施設において、新世代の触媒開発等の基盤技術開発から、それらの基盤技術をベースに開発される超クリーンな大型ディーゼルエンジン及び大型ディーゼル車の排出ガス性能の総合的評価まで幅広い研究開発を行う予定です。
本施設の主な設備は、日本初となる超低濃度排出ガス対応の大型ディーゼル車試験設備(低濃度シャシダイナモメータシステム)及び大型ディーゼルエンジン試験設備(低濃度エンジンダイナモメータシステム)、環境雰囲気温度を -30℃~+40℃まで変えて排出ガス性能を測定できる大型ディーゼル車試験設備(環境シャシダイナモメータシステム)です。さらに、要素技術設備として、排出ガス浄化性能を評価・検証するための触媒反応計測設備、ナノ粒子計測設備、微量有害物質分析設備、健康影響評価設備から構成されています。
本施設では、先進基盤技術研究と実用性評価技術研究を行う予定です。先進基盤技術研究では、新世代の触媒の開発及びバイオマス燃料自動車適用性研究、ナノ粒子計測技術、健康影響評価技術に関する研究を実施し、ディーゼルエンジンの将来の排出ガス規制に対応した先進技術確立を目指します。一方、実用性評価技術研究では、先進技術をベースに開発された大型ディーゼルエンジン及び大型ディーゼル車の排出ガス性能に関して、ナノ粒子及び健康影響を含めた総合的評価を行い、新世代大型ディーゼルシステムの排出ガスレベルの超クリーン性を実証する予定です。