産総研 - ニュース お知らせ

お知らせ記事2002/06/17

グリッド技術の国内普及活動を目指す「グリッド協議会」を設立
-火山防災や鉱物資源広域調査の検討資料に-

 【独立行政法人産業技術総合研究所コンソーシアム設置規則】に基づき、グリッド協議会設立準備委員会が中心となって準備を進めてまいりました「グリッド協議会」の設立総会及び記念講演会が、平成14年6月17日、ダイヤモンドホテル(東京都千代田区)に於いて203名の参加者をもって盛大に開催され、正式に発足しましたのでお知らせ致します。


会場の写真 関口智嗣会長の写真
  会長: 関口 智嗣 (産総研)

設立総会の写真 役員の写真
  副会長: 中田登志之 氏(左) ・ 姫野龍太郎 氏(右)

三浦謙一氏基調講演の写真

基調講演
 三浦 謙一 氏 (富士通株式会社)

Jeffrey Nick氏招待講演の写真

招待講演
 Jeffrey Nick 氏 (IBM Corporation


設立趣意書

謹啓

 グリッドとは、ネットワークに接続された多種多様な情報資源(携帯端末、個人用PC、スーパーコンピュータ、データベース、センサー、観測装置、人、ソフトウエア、表示装置など)にアクセスし、動的に変化する環境の中で、圧倒的な大容量データを総合的に取扱うシステム(ソフトウエア、ネットワーク、ハードウエア)を構築し高信頼かつ安全に利用する次世代のインターネット利用技術を総称しています。インターネットから得られるサービスを電力網(グリッド)に例えていつでも、誰でも、どこからでも、サービスが提供されることを目指したものです。

 これまで欧米を中心として現在世界中で活発な研究が行われています。米国においては数億米ドルの投資、同様に欧州も数億ユーロ規模の研究開発投資が予定されており、産学官の連携体制が整いつつあります。さらに国際的なグリッドの標準化、情報交換の場としてGlobal Grid Forumが組織化されております。また韓国においてもGrid Forum Koreaが積極的な普及活動を行っています。こうした諸外国の取り組みに比べ、日本のグリッド研究開発の取り組みは未だ遅れていると言わざるを得ません。総合科学技術会議等において、今後のグリッド技術の研究開発のあり方について活発な議論が行われているところではありますが、我が国全体としてもグリッド技術の研究開発と実用化の促進を行う必要があると考えられております。

 こうした基本認識を踏まえ、国内のグリッド技術に関わる産業、学術分野の専門家が一堂に会し、それぞれの参加機関の会員による技術開発や標準化動向の調査、国際的標準化への貢献、テストベッドの運用に関する最新の技術研究の成果などについて情報交流及び人的交流を行う事を目的として、我が国のグリッド技術の発展に資するべく「グリッド協議会」を設立することと致しました。グリッド協議会は、日本を含めた世界各地に設立されているグリッド関連の標準化組織、推進啓蒙組織、およびそこに参加する企業等と協力して、最新のグリッド技術情報を共有することにより国際的な標準化に寄与し、グリッドに関する要素技術及び利用技術の普及・啓蒙に取り組みます。特にグリッド技術を活用したシステムあるいはサービスの構築・導入を積極的に推進するITベンダー、ソフトウエア会社企業及び企業・大学・研究所における研究者・技術者・運用実務担当者および業務管理責任者等の方々へ参加を呼びかけております。

 何卒、グリッド協議会の設立の趣旨にご賛同をいただき、ご参加ご協力を賜りたく、特段のご高配をお願いする次第です。

謹白

【グリッド協議会発起人(五十音順)】

大学・研究機関等(10機関)

大阪大学  高エネルギー加速器研究機構  産業技術総合研究所  筑波大学  東京大学  東京工業大学  豊橋科学技術大学  北陸先端科学技術大学院大学  理化学研究所  早稲田大学


企業(15社)
NTTコミュニケーションズ(株)  (株)NTTデータ  (株)SRA  (株)グリッド総合研究所  コンパックコンピュータ(株)  サン・マイクロシステムズ(株)  (株)創夢  日本アイ・ビー・エム(株)  日本SGI(株)  日本電気(株)  (株)日立製作所  富士通(株)  (株)富士通研究所  プラットフォームコンピューティング(株)  東京リース(株)