産総研は、所有する技術力、施設・設備、研究開発費、情報力の資源を活用し、総合的にベンチャー支援に取り組んでいます。
このたび、これらの支援策に加え、ベンチャー起業を推進する新たな採用制度を導入しました。この制度により採用された方に対して、産総研が総合的に支援を行うこととしています。
優れた技術シーズやアイディアを持ち、ベンチャー創業を視野に入れている研究者・技術者にとって、「創業までに必要な技術開発を継続して実施する環境が整備されていないこと」や、「ベンチャーを創業するまでの期間の身分的な不安が解消されないこと」は、技術開発型ベンチャーの創業が我が国において進まない要因と思われます。
独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 吉川 弘之】(以下「産総研」という)は、こうした我が国の現状を踏まえ、技術開発型のベンチャー企業を創出するための新たな支援策として、従来の研究職員の任用とは異なった任用制度【ベンチャー支援任用】を一部導入することといたしました。
本制度は、産総研外の研究者・技術者が、 (1) 産総研職員との連携のもと (2) 産総研の技術ポテンシャルを活用して研究を進めることによって (3) 3年以内に起業化を図ろうとする場合、その者を産総研職員として任用した上で技術開発費を支給し、その他の様々なサポートと合わせて、「ベンチャー創業のために必要な技術開発の促進」、「起業家の身分の安定化」を図り、ベンチャー創業を目指す研究者・技術者を支援する制度です。産総研の広範な分野にわたる研究者集団や技術シーズを、適正かつ効率的に投入することによりベンチャー創業を促進し、加えて産総研の研究成果が広く産業界へ普及し、我が国の経済・産業の発展に大きく貢献できるものと期待しています。