国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 石村和彦】(以下「産総研」という)と学校法人 金沢工業大学【理事長 泉屋吉郎】(以下「金沢工大」という)は、2023年7月、「金沢工大・産総研 先端複合材料 ブリッジ・イノベーション・ラボラトリ【プロジェクトマネージャー 鵜澤潔】(以下「金沢工大・産総研BIL」という)」を金沢工大 革新複合材料研究開発センター(以下「ICC」という)内に整備しました。ブリッジ・イノベーション・ラボラトリ(以下「BIL」という)は、企業ニーズを核として、産総研と地域大学等が持つ研究シーズを用いた共同研究等を実施する連携拠点で、金沢工大・産総研BILはその第一弾となります。
産総研と金沢工業大学が持つ材料開発の強みを活かし、カーボンニュートラルに向けた天然素材複合材料の研究開発を行います。地元企業との共同研究を推進することで、地元企業の事業化を支援し、新産業創出・地域経済の活性化・社会課題解決を目指します。
金沢工大 革新複合材料研究開発センター(ICC)外観写真
地球規模で持続可能な社会を実現するために、自動車や風力発電の分野等では軽量化や燃料エネルギー削減につながる軽くて強くて錆びない複合材料の導入が進んでいます。こういった複合材料を暮らしのレベルにまで広げるために、低環境負荷型の革新的複合材料の開発が求められています。
北陸地域は繊維などの高機能素材産業や機械産業が盛んであり、炭素繊維複合材料や軽金属などの中間材料の生産拠点が存在しています。特に、石川県は炭素繊維を含む繊維強化複合材料(CFRP、FRP)の研究開発の一大拠点地域であり、CFRPやFRPの有効活用技術の開発が地域経済活性化を促進しています。
一方、炭素繊維は膨大なエネルギーを消費して製造されるため、持続可能でカーボンニュートラルに向けた取組みが必要であり、天然素材の有効活用を含め、循環社会を実現する新たな低環境負荷型の革新的複合材料の開発に期待が寄せられていました。
金沢工大・産総研BILでは、金沢工大の複合材料の成形プロセス技術と産総研の木質材料の改質・成形プロセス技術を組み合わせ、資源循環やCO2排出削減に資する革新的材料を創製するための研究開発を、実用化レベルで実施します。
100%天然由来成分の素材を用いた「資源循環型複合材料の開発」(研究1)や、炭素繊維複合材料と木材等を積層した「低環境負荷で競争力のある複合材料の開発」(研究2)により、地域経済産業の活性化を目指します。
学校法人金沢工業大学 革新複合材料研究開発センター(ICC)は、複合材料分野の研究開発・教育・連携活動を支える日本最大級のイノベーションプラットフォームです。
ブリッジ・イノベーション・ラボラトリ(BIL)は、企業ニーズを核として、地域大学等(自治体、事業化支援機関、公設試等を含む)と産総研が持つ研究シーズを用いた共同研究を実施する場として整備した連携拠点です。成果の橋渡しと人材育成を通じて、地域企業の事業化を支援し、地域経済活性化を目指します。
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
ブランディング・広報部 報道室
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