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お知らせ記事2021/10/01

海洋生分解性プラスチック標準化コンソーシアムの設立
- 新たな材料・製品の社会実装に必要な標準化の推進を目指す -

2021年10月1日
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
 
 

概要

国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 石村 和彦】(以下「産総研」という)イノベーション推進本部【本部長 渡利 広司】は、産総研コンソーシアムとして「海洋生分解性プラスチック標準化コンソーシアム」を2021年10月1日に設立しました。

このコンソーシアムは製造、バイオテクノロジー、環境影響評価など複数の業界にまたがる新しい産業分野での標準化ニーズに対応します。生分解性プラスチックなどの製造やその評価法を業とするさまざまな民間企業に対し、産総研が情報共有および議論の場を提供します。産業界が抱える技術課題やニーズの抽出および産総研が有する技術・知見を活用した新たな材料・製品の社会実装に必要な標準化を推進することで、持続可能な社会の実現および産業競争力の強化を図ります。

発足当初は、産総研が培ってきた、生分解性プラスチックに関する合成・評価技術の普及とともに、今後の標準化ニーズや技術開発を主軸とした情報交換を図ります。長期的にはサプライチェーンにも対象を広げ大阪ブルー・オーシャン・ビジョンの目標達成に向け、企業側が抱えるプラスチックに関連するSDGsとしての課題を見据えた対応への展開を想定しています。

海洋生分解性プラスチック標準化コンソーシアムの活動の概要

海洋生分解性プラスチック標準化コンソーシアムの活動

設立の経緯

新技術を普及させ市場を拡大するには、技術を共通利用するための国際標準化が求められます。また、国際標準化には、製造、バイオテクノロジー、環境影響評価など複数の業界にまたがる知見が要求されるため、海洋生分解性プラスチックに関連する規格の普及・ニーズ・シーズの探索や情報交換の場として、「海洋生分解性プラスチック標準化コンソーシアム」を標準化推進センターに設立することとしました。

なお、標準化推進センターは、第5期中長期計画に基づき、複数の業界にまたがる新しい産業分野での標準化ニーズに対応するため、2020年7月イノベーション推進本部に設立しました。

コンソーシアムの目的

近年、プラスチックごみによる海洋汚染が世界的に問題視されています。我が国は、官民連携により海洋生分解性プラスチックの開発・導入普及を促進していくため、2019年に「海洋生分解性プラスチックの開発・導入普及ロードマップ」(以下「ロードマップ」という)を策定し、技術開発などに取り組むことを示しました。

本コンソーシアムでは、ロードマップで示された、海洋生分解性を有するプラスチックなどの新素材・代替素材の普及を促進するなどのイノベーションによる取り組みをオールジャパンで行うことを目的としています。

今後の予定

生分解性プラスチックなどの製造やその評価法に係わる企業、標準化団体、およびアカデミックな観点から活動にご協力いただける大学・公的研究機関の研究者の参加を募集します。標準化推進センター公式ページ上に募集サイトを開設する予定です。

また「海洋生分解性プラスチック標準化コンソーシアム設立記念講演会」の開催を予定しています。

本件問い合わせ先

国立研究開発法人 産業技術総合研究所
海洋生分解性プラスチック標準化コンソーシアム 事務局
E-mail:M-marineplastics-sec-ml*aist.go.jp(*を@に変更して使用してください。)

用語の説明

◆海洋生分解性プラスチック
微生物の働きによって二酸化炭素、水にまで分解されるプラスチックを生分解性プラスチックといい、そのうち、海洋流出後も生分解性を有するプラスチックを海洋生分解性プラスチックといいます。
現在の生分解性プラスチックは陸域の土壌又はコンポストでの分解を前提としたものが主流で、海洋でも生分解性を有するプラスチックはわずかな種類しか存在しません。プラスチックごみによる海洋汚染が問題視されているため、海洋生分解性プラスチックの市場導入が期待されています。[参照元へ戻る]
◆大阪ブルー・オーシャン・ビジョン
海洋プラスチックごみによる新たな汚染を2050年までにゼロにすることを目指すビジョンであり、G20大阪サミット(2019年6月)において参加国間で共有されました。[参照元へ戻る]