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お知らせ記事2021/09/01

CO2分離回収・資源化コンソーシアムを設立
-カーボンニュートラルの早期実現に貢献-

概要

国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 石村 和彦】(以下「産総研」という)材料・化学領域【領域長 濱川 聡】は、産総研コンソーシアムとして「CO2分離回収・資源化コンソーシアム」を9月1日に設立しました。

本コンソーシアムは、次の活動を通してカーボンニュートラルの早期実現に貢献します。

  1. CO2分離回収・資源化及び固定化技術に関する情報の収集及び会員間での共有
  2. CO2分離回収・資源化及び固定化技術に関する技術相談・講演会の開催等による情報提供・技術交流
  3. CO2分離回収・資源化技術に関する共同研究立案等に向けたワーキンググループ開催

本コンソーシアムの設立趣旨にご賛同いただける会員を募集します。

図

CO2分離回収・資源化コンソーシアム概要

 

背景

2020年10月、菅内閣総理大臣は、2050年までにカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言、また多くの国や地域が、2050年までのカーボンニュートラルの実現を表明しています。

こうした中、化学産業および素材産業(以下「化学・素材産業」という)は、日本国内のCO2排出量の約13%を占めており、サプライチェーン全体の脱炭素化の観点からも、化学・素材産業の低炭素化および脱炭素化は重要な課題です。化学・素材産業は、企業や事業ごとにさまざまな製造工程を持つことから、CO2排出源の規模や状態も多様であり、個別企業が単独でCO2排出削減を進めるには限界があります。このため、化学・素材産業全体のCO2排出削減に寄与する、CO2分離回収、資源化および固定化技術(以下「CO2分離回収技術等」という)の開発ならびに個別企業のCO2排出削減に最適化された技術の実装を並行させることが望まれます。

産総研は、これまでにCO2分離回収技術等およびライフサイクルアセスメント(LCA)を考慮したシステム設計技術、材料評価技術の研究を広く推進し、多くの企業と技術コンサルティングや共同研究を進めてきました。

 

コンソーシアムの目的

産総研は、2050年までにカーボンニュートラルを達成するには、CO2分離回収技術の研究開発等をオールジャパンで取り組むことが必要であると考え「CO2分離回収・資源化コンソーシアム」を設立しました。

本コンソーシアムを情報交流の場としてさまざまな法人、企業、大学、公的研究機関の交流を活発にし、業界全体の技術力向上に寄与するとともに、社会実装を加速する大型連携の創出を通じて、カーボンニュートラルの早期実現に貢献します。

 

今後の予定

化学・素材産業を中心に、本コンソーシアムの設立趣旨にご賛同いただける法人または団体、ならびに大学および公的研究機関に在籍する研究者や技術者を対象に広く会員を募集します。また、「CO2分離回収・資源化コンソーシアム設立記念講演会」の開催を予定しています。

 

本件問い合わせ先

国立研究開発法人 産業技術総合研究所
CO2分離回収・資源化コンソーシアム 事務局
E-mail:M-CO2-consortium-ml*aist.go.jp(*を@に変更して使用してください。)
電話番号:029-861-8489
コンソーシアム会員の申し込み方法などは、以下のWebページにも記載しております。
「CO2分離回収・資源化コンソーシアム」Webページ
https://unit.aist.go.jp/dmc/consortium/co2c/index.html

 

用語の説明

◆カーボンニュートラル
温室効果ガス(CO2・メタン・フロンガス・一酸化二窒素など)の排出と吸収で、正味の増減をゼロにする概念。日本では、2020年10月に行われた菅内閣総理大臣の所信表明演説において「わが国は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことをここに宣言いたします」と述べられた。[参照元へ戻る]
◆日本国内のCO2排出量の約13%
国立環境研究所温室効果ガスインベントリ「日本の温室効果ガス排出量データ(1990〜2019年度)確報値」(https://www.nies.go.jp/gio/aboutghg/index.html)記載の「CO2の部門別排出量【電気・熱配分前】(簡約表)」2019年度のCO2排出量に基づいて、化学・素材産業からのCO2排出量の合計と日本国内全体のCO2排出量合計から算出した。[参照元へ戻る]