トランジスタ式電子計算機ETL Mark-Ⅳ20160609007
電気試験所(当時)が1957年に開発したわが国初のトランジスタ式電子計算機。この計算機をもとに多くの国産商用電子計算機が開発され、日本のコンピューター産業の形成に大きな役割を果たしました。
電気試験所では1954年に電子部を設立し、トランジスタ式電子計算機の研究開発に乗り出しました。1956年に試作されたETL Mark-Ⅲはトランジスタ式プログラム内蔵型電子計算機としては世界初とされています。翌1957年11月には実用機となるETL Mark-Ⅳを開発しました。基本回路にはダイナミック・フリップフロップを、論理回路には接合型トランジスタを使用し、クロックは同期式・単相で周波数180kHz、記憶装置には記憶容量1,000語の高速磁気ドラムを採用しました。演算は内部10進法で、一語の構成を、並列4ビット、直列6けたの直並列式とすることで、演算速度の低下を防ぎました。命令は29種類で、演算速度は加減算3.4ms、乗算4.8ms、除算6.4msの性能を発揮しました。
ETL Mark-Ⅳは、ⅣA、ⅣB、Ⅴ、Ⅵと改良・進化を重ね、それと並行して、日本電気株式会社、株式会社日立製作所、株式会社北辰電機製作所、松下通信工業株式会社などが相次いで国産電子計算機を開発・製品化していきました。
画像サイズ |
1183×625(1.25MB) |
整理番号 |
20160609007 |
領域 |
情報・人間工学領域 |
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