単一分子電荷輸送における量子干渉と反共鳴のゲート制御
ジフェニルベンゼン単一分子について、広いエネルギー範囲にわたって電気化学ゲートSTM法を用いて電気伝導度を測定した結果、測定値は独自開発の第1原理シミュレーション値とよく一致した。最高被占分子軌道(HOMO)と最低非占分子軌道(LUMO)の間の量子干渉を調整することで、破壊的干渉の特徴である反共鳴を直接観測できた。分子の共鳴状態を調節することで2桁以上にわたり電気伝導度を連続的に調整することにも成功した。これにより、電界効果トランジスタによるゲート機構とは異なる機構である、量子干渉によるゲーティング原理を実証することができた。