要点
グローバル認証基盤整備事業の一環として、福島再生可能エネルギー研究所(FREA)に「スマートシステム研究棟」を整備し、大型パワーコンディショナの性能試験を開始した。
FREA スマートシステム研究棟(外観) |
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電波暗室におけるEMC試験法開発のための実験風景
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成果・方法
大型パワーコンディショナが、世界中の電力系統の電力品質(周波数・電圧等)に適合するかを確認する系統連系試験において、世界で初めて3メガワット級、直流1500Vの大型パワーコンディショナに対する単独運転防止試験を実施しました。また、地元企業の開発する次世代型電圧調整器の様な高圧(6.6kV)電力機器に対する環境試験、電磁両立性(EMC)試験も実施し、大型パワーコンディショナに留まらない多様な電力機器への対応を行いました。大型パワーコンディショナが世界中で受け入れられることを目標として、性能試験等に関する国際標準化活動を電気安全環境研究所等と共に行い、IEC TC82へ5つの国際標準規格を提案しました。
背景
パワーコンディショナは、分散電源(太陽光発電、蓄電池、燃料電池等)の直流電力を変換し、規定通りの周波数・電圧で交流電力を電力系統に供給する装置で、再生可能エネルギーによる電力を有効利用するために必要不可欠な装置です。近年、低コスト化と高性能化のためパワーコンディショナの大型化(500kW以上)と高電圧化(直流1500V)が進んでいます。スマートシステム研究棟は、世界に先駆けて、大型パワーコンディショナのこのような課題に対応し、認証機関と共に国内外の認証試験にも対応する事で、世界各国での円滑な分散電源の導入を目指しています。
今後の予定
太陽光発電用パワーコンディショナの大型化と高電圧化に対応する試験については、最初の1年間で一通りの目処がつきました。次は、大型蓄電池システム向けのパワーコンディショナ用途への利用拡大を目指します。また、スマートグリッド、マイクログリッドのような次世代の電力系統に向けた「スマートインバータ」への対応を進めるなど、絶え間ない研究開発と環境整備を通じ、産業界の国際競争力強化を支援していきます。
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