2007.10.17 特許生物寄託センターにおける不適切な寄託微生物の受け入れについて

2007年10月17日
産業技術総合研究所

産業技術総合研究所では、特許庁の委託により、特許法に基づく生物を特許生物寄託センターにおいて受け入れ管理をしております。

今般、新聞報道等にありますように、過去において病原性微生物の受け入れおよび管理において不適切な点がありました。これに対し、深くお詫び申し上げます。

今回の不適切な受け入れに関する概要は以下のとおりです。

  1. 昭和60年(1985年)より国立予防衛生研究所(現在の国立感染症研究所)の規程を参考に微生物の危険性を区分し、受け入れ可能な微生物として危険性の低いクラス1および2aとしておりました。
  2. 平成13年ごろ、受け入れすべきでない危険度の高い微生物が合計18株(クラス2bが15株、クラス3が3株)保管されていることが判明いたしました。
  3. そのうち危険性の高い菌(クラス3)については、取り扱い業務にあたっていた職員が、それと知らずに感染した危険性もありましたが、実態が判明した段階ではすでに最後にこれら菌株を取り扱って以来2年以上経過しており、潜伏期間をはるかに超えていることから、感染していないと判断し、本人の心理的な影響を考えて周知しませんでした。現時点で考えますと、情報の周知という点で不適切な判断でした。
  4. その後、クラス1から2bまでを受け入れ保管できる体制を整え、平成13年度当時問題であったクラス2bの15株については、現在、適切に保管をしております。
  5. なお、クラス3の微生物として寄託された上記3株については、帯広畜産大学の専門家による解析により、いずれも人体に対して無害であるクラス1に区分される微生物であるとの結果を、平成19年7月に得ました。したがって、結果的ではありますが、業務に従事していた職員に健康上の危険はなかったことが判明しました。
    また、周辺への影響等のおそれもないものと考えています。

今回の問題で、近隣住民および関係方面の方々には多大なご心配、ご迷惑をおかけしたことを、重ねてお詫び申し上げます。今後、これまでの問題点を明らかにするとともに、再発防止の徹底に努めます。

本件に関する問い合わせ先 

 理事 一村 信吾
電話:029-862-6415

 特許生物寄託センター長 山岡 正和
電話:029-861-6077